役職 ラッキー1号
名前 さかい ひさお
年齢 47歳
農業研修経歴
・(株)大地と自然の恵み
・(株)山下農園
・(合)渡辺ファーム
好きなもの 1 柿の種(亀田)
2 古い物
3 懐メロカラオケ
4 漬物
5 裸足
6 男らしい人
出身地 ・札幌
そこそこ裕福な家庭の末っ子として生まれた僕。皆に可愛がってもらい、臆病でのんびり屋の怠け者に育ってしまいました。
二浪し結局進学できず、アルバイトをしたりフラフラしたり、気が着いたら30をすぎていました。
あせって探した仕事はメッキ工場の工員。それも派遣。あまり面白い仕事ではなかったのですが、何の資格もとりえもない三十路のおっさんには仕事を選ぶ権利なんてありません。
メッキの仕事は奥が深く、勉強すれば絶対面白くなるはずだったのですが、家に帰れば飲んでばかり。毎日が無為に過ぎていきました。
そんな生活を4年つづけたある日、ラッキー2号と出会い、あれよあれよという間に高知県・有機農業・新規就農という流れになってしまいました。
ラッキー2号の行動力は凄まじいものがあります。僕一人なら絶対農家にはなっていなかったでしょう。
そんな感じで出会った有機農業。これがなまら(訳:とても)楽しいんです。キツイ農作業も全然辛くない。人生でこんなに夢中になれるものに会った事はありません。これは天職かも。
そして有機農業は、僕に生きる勇気を与えてくれました。
有機農業の畑というのは、生物多様性が保たれていることが重要です。畑が単純な生物相になると、何か1種類の虫や微生物・細菌類が大量に発生したりすることがあります。それがもし野菜に悪さをするものだったら…。
畑の生物相が複雑だと何か1種類の虫や微生物・細菌類が大量に増えることはできません。生物多様性が保たれた畑では野菜に悪さをするものをゼロにはできませんが大量発生を防ぐことができるのです。一見なんの役にもたたない虫けらも畑のバランスを保つ大切な一員なのです。
この事を知ったとき、僕は本当に嬉しかった。なんのとりえもなく、社会のゴミのようなダメ人間。そんな僕でも生きてていいんじゃないかしら。社会のバランスを保つ一員として。
優れた人間だけの社会になったら優れた人間はいなくなる。僕がいるから優れた人間でいられる。
「ダメ人間は生物多様性を守る上で重要なのだぁ!」
勝手にそう解釈したら、人生とっても楽しくなってきました。ありがとう有機農業!
農業の道はなかなか険しいです。でもやっと見つけた自分の道。怖いけど一歩一歩前に進んでいきます。勇気をもらったから…
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